〜暑さが命を奪う前に、いま知っておきたい対策とは〜
◆ なぜ今、脱水症状への注意が一層必要なのか?
日本の夏は、ここ数十年で気温・湿度ともに大きく変化しています。
■ 昔と今の気候の違い
- 1980年代の平均夏日(30℃以上の日)は年10〜20日程度だったのに対し、
- 現在は50日を超える地域もあります。
- 加えて、都市部ではヒートアイランド現象により夜間も気温が下がらず、体力が回復しにくくなっています。
■ 湿度の上昇も影響大
湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり体温が下がらないため、より多くの汗をかき続け、結果的に水分や塩分が失われやすくなります。
◆ 脱水症状の種類と見逃しやすい初期症状
1. 高張性脱水(水分不足が主)
→ 暑い日や運動後に、水分だけが失われている状態。
2. 低張性脱水(塩分不足が主)
→ 汗を大量にかいた後、水だけを補給したことで塩分が足りなくなる状態。
3. 等張性脱水(水分と塩分が両方不足)
→ 発熱・下痢・嘔吐などによって水分も電解質も一緒に失われる。
見逃しやすい初期サイン
- 唇や舌が乾いている
- 尿の色が濃い、回数が少ない
- 微熱、倦怠感、食欲不振
- ぼーっとする、集中力が続かない
◆ 未然に防ぐために使いたい便利アイテム
◎ 小型携帯扇風機(ハンディファン)
【効果は?】
直接的に体温を下げる効果は限定的ですが、汗の蒸発を促進し、体感温度を下げるには有効です。
特に顔や首元に風を当てることで「涼しい」と感じやすくなります。
🌟 ただし注意点:
高温多湿な環境では蒸発が追いつかず、熱がこもってしまう恐れもあるため、冷感グッズや日陰との併用が効果的です。
◎ その他のおすすめアイテム
アイテム | 効果 | おすすめの使い方 |
---|---|---|
経口補水液(OS-1等) | 水分と電解質を効率よく補給 | 発汗後や体調不良時に |
塩タブレット・塩あめ | ナトリウム補給 | 水だけでなく塩分も摂取 |
冷却スカーフ・首元クーラー | 頸動脈を冷やすことで体温を下げる | 外出時や作業時に装着 |
クールスプレー | 肌にかけることで気化熱で冷却 | 直射日光を避けて使用 |
日傘・帽子 | 紫外線や熱をカットし熱中症予防 | 通勤・通学・外出時の必需品 |
ポータブル温湿度計 | 室内外の温湿度を即座にチェック | 子どもや高齢者のいる家庭で活躍 |
◆ 室内でも油断禁物!「隠れ脱水」に注意
高齢者や乳幼児は喉の渇きを感じにくいため、室内でも脱水が進行することがあります。
◎ 対策ポイント
- 冷房は28℃前後、湿度は50〜60%程度が快適
- 寝る前と起床後にコップ1杯の水を飲む習慣を
- 食事に汁物や果物を取り入れて自然に水分を補う
- トイレの回数や尿の色をチェック(薄い黄色が理想)
◆ 特に注意すべきタイミングと人
◎ タイミング
- 外出時(通勤・通学・部活・買い物)
- 入浴前後
- 就寝前後
- 発熱・下痢・嘔吐時
◎ リスクが高い人
- 高齢者
- 乳幼児
- 妊婦さん
- 心臓病や腎疾患を持つ方
- スポーツや屋外作業をする人
◆ 最後に:予防は“行動”でしかできない
脱水症状は、重症化すれば命を落とすリスクもあります。
しかし、正しい知識と準備、そして日々のちょっとした意識で防ぐことができるのです。
- 喉が渇く前に飲もう
- 暑さを我慢しない
- 自分だけでなく、周りの人にも声をかけ合おう
家族や大切な人と一緒に、暑さに負けない夏を過ごしましょう!